遅ればせながら...モヤモヤづくしの「第3回公共施設再編検討特別委員会」報告

8月6日(金)14:00~ 第3回 公共施設再編検討特別委員会の報告です。

(議員さんたちも第2回って言っているけど、実は第3回なんです!→

今回の傍聴者は開始時点で20名超。前回同様に、市民の注目の高い委員会と感じました。

今回は記者の方が数名おり、執行部も前回同様に多く空間は密~(;^_^A

早くインターネットなどで委員会も傍聴出来るように熱望します。


さて、本日の議題は以下の通り。

(1) 現市庁舎の耐震性について

(2) 立替え候補地について

(3) 市役所機能再編整備基本構想(案)を軸とした元市役所敷地と新拠点ゾーン(南側)の比較について

前回の会議でもスケジュールやロードマップを、ということがあったけれど、今回も議題や内容が委員に示されたのは直前であり、内容も特に執行部から出された情報に目新しいものは無かったのかな、という印象でした。初心者傍聴市民としては、前回の会議で発言があったように「各会派から出た意見の一覧」のような資料があったらわかりやすいのに、と感じました。正直、やりとりを聞いていても良くわからなくなりメモをやめてしまいました。


委員会後の各議員のSNS発信で今回一番わかりやすかったのが日本共産党のミール議員のブログでした。議員さん目線でそれぞれの議員さんの発言についても詳細に書かれています。(正直、議事録は遅いので議員さんからの情報発信はとても助かります!)

◆各議員発信のブログ

「第2回 公共施設再編検討特別委員会 終了!」(日本共産党・ミール議員ブログ)

「公共施設再編特別委員会!どうなった!?」(政策実現フォーラム・原議員ブログ)

「公共施設再編検討特別委員会①②③」(市民力・立憲民主党・山中けいじ議員ブログ)


今回、の新情報としては平成28年6月、財務省と市で「松戸駅周辺新拠点ゾーンの土地利用検討に関する覚書」が交わされていたようで、その「覚書」が参考資料として添付されていました。そこにはたしかに「公共施設としての利用」という内容はあったものの、明確な期限や期日はないことが分かりました。が、国からは「1日も早く有効活用してほしい」と要望があり、それは当然だろうと思いました。(放置されている土地を見るたびに近隣住民も思っていました!)

早速議題へ。

(1) 現市庁舎の耐震性について

※資料からのメモなので間違いあったら後程訂正します。

本館 経過年数57(53)年 Is値→0.3

新館 経過年数47(46)年 Is値→0.3

別館 経過年数33年 →新耐震基準

議会棟 経過年数38年→IS値0.7

ここで驚いたのは、資料に示された本庁舎の状況。平成7(1995)年9月耐震診断の実施

本館及び新館については、構造耐震指標(Is値)の最小値が0.3であり、耐震改修が必要であると判明。その時点で現地立替えは困難と判断したらしい。

そこから平成23(2011)年度の東日本大震災の発生があり、翌年の平成24(2012)年に松戸市庁舎基礎調査業務委託を実施。新庁舎の建設までには時間を要することから耐震性不足に対する当面の対策として平成26(2014)年に柱の補強工事(包帯工法)を実施したようです。

◆市庁舎のこれまでの検討経過

「市役所機能再編整備に関するこれまでの取り組みについて」(市役所HPより)


あれ?ちょっと待て。今、平成から令和に変わっているけど…この補強してから何年経っているのかな?今2021年だから…7年も補強しただけということ??

ここで、包帯工法について山中議員がその耐用期間や包帯工法はあくまで応急処置だったのか?Is値を上げるためのものだったのかを何度も質問していました。

やり取りを聞いていると執行部の解答も曖昧、普通に考えて少し大きな地震が来たらあっさり市役所は倒壊するんだろうな、という印象を受けました。(これ、どうなの??)

ミール議員からも平成7年(1995年)に0.3と判断されたのに放置、そして平成26(2014)年から7年間も放置とはいかがなものか?という発言も。(傍聴してる市民も同感です。)

(2) 立替え候補地について

こちらも、委員長より(3)で議論すべきことはそこでしたいのであくまで他の候補地などご意見などあれば、との促しがあった。とにかく(3)へ議論を進めたい様子でした。

執行部の説明としては「いくつかの主要駅前で検討したが建設可能なまとまった土地があったのが「松戸駅」だった」というなんとも微妙な説明でした。どこと比較して、というのがまったく見えません。

どの資料にもいえるけれど根拠があいまい。初めから「今の市役所から近い、「松戸駅」しかない」と決めたと思われても仕方ないかな~と感じました。

(3) 市役所機能再編整備基本構想(案)を軸とした元市役所敷地と新拠点ゾーン(南側)の比較について

本日のメイン。結局の諸悪の根源は「平成25(2013)年3月松戸市庁舎基礎調査業務委託」を㈱山下設計に依頼し、a.b.cと案を提案してもらったのに調査結果を議論することもなく「a.現地立替えは困難」と勝手に判断し、いつの間にか「新拠点ゾーン(南側)」へ市庁舎ももれなく移転することになっていて、曖昧な計画と共にさらっと予算を組み入れてきた点にあるのでは?と感じました。

とにかく、行政側がキチンと情報公開や合意形成をしてこなかったために今回の特別員会設置なのだろうな、という事はわかりました。勉強不足の私は、改めて市がHPにアップしている「新拠点ゾーン」の資料などを改めて確認しました。資料を見ると確かに素晴らしそうな構想ですね。資料マジック。

◆「新拠点ゾーンを策定しました」(市役所HPより)


次回は各会派の議員からあがった質問について執行部から説明してもらう事となりましたが…

まずは、調査を依頼した㈱山下設計の方や専門家を呼んで以前の調査結果を共有したり、最近市役所を建て替えた市川市(こちらも㈱山下設計が実施とのこと)について情報共有した上で議論したらいいのでは?と思ったり。だって、議員さんも執行部も建築のプロじゃないのだし。わからない人たちでいくら議論しても時間の無駄だと思います。

そして何より「市民や職員の命が大切」というなら、まず1日でも早くIs値0.3の本館と新館分の仮庁舎を場所確保しないとまずいのは?と思いました(;^_^A

(それについては、政策実現フォーラムの原議員が一するどい意見を提案していました。)

市民として、市役所に行くのも怖くなったし、災害時の司令拠点として機能しないのでは??と漠然とした不安を感じました。


ここからは完全な個人的な感想ですが…

新松戸駅東口の住民としては、松戸駅周辺が開発されて「素敵に」生まれ変わるのは大歓迎です。そこに文化施設(図書館や美術館やプラネタリウムとか!)や収益が入る施設があったらもっといい。でも…やはり未来への「負の遺産」だけは困ります。

今回の会議の中でも「また市立病院の二の舞になるのでは?」という発言もあったように、次回の市庁舎移転問題が市長選の争点になるのでしょうか?(そういうのはやめて欲しい)

コロナ禍で市民の生活はどんどん悪化しています。家庭の財政も不安ですが、松戸市の財政状況も良くない中、公共施設への設備投資が曖昧になるのは困ります。

松戸市民の知らないところで、知らない間に多額の「割り勘」を背負わされるのは正直ゴメンです。ひとつひとつ、キチンとした根拠を示した上で議論し、進めて欲しいです。


画像は新拠点ゾーンの「中央ゾーン」となる松戸中央公園の入り口です。ここはもとは旧陸軍工兵学校で入口のにある「歩哨哨舎」は松戸市の市指定有形文化財だそうです。

今回、新拠点について考えることで、改めて歴史や文化が身近にあることに気づきました。

(富田)

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