今日は、前回もブログでアップした通り付託された
請願5件と陳情1件の審査について教育環境常任委員会の傍聴をしてきました。
8月29日(火)議会運営委員会を傍聴しました。
まずは請願の審議。
令和5年度請願第1号~第5号「ゆきとどいた教育環境推進するために」
請願者は松戸市教職員組合の方。
紹介議員は日本共産党の山口議員・ミール議員・宇津野議員の3名。
(本日、山口議員は体調不良で欠席)
この請願は「ゆきとどいた教育を推進するために」という内容で、
もう何年も同じ内容で出されているものです。
(とはいえ、きちんと最新情報を盛り込みへブラッシュアップ済みでさすが!)
ちなみに昨年の請願の内容はこちら。
県内での教員不足最多という悲しい現状や、小学校での窓枠落下事故があってもなおこの結果に昨年も憤りを感じたのを思い出しました。
【マツコとウォッチ第2弾~松戸市市議選2022~より】
松戸市議会での教育環境への考え方って?
昨年の請願の内容4件に今回は「プール清掃を業者に委託することを求める請願」が加わりました。 請願の審議の流れは、以下のような流れで進んで行きます。
① 請願者からの主旨説明(10分)
② 紹介議員からの理由説明
③ 紹介議員への質疑・応答
④ 紹介議員退室
⑤ 理事者説明
⑥ 理事者への質疑応答
⑦ フリートーキング
⑧ 継続審査の確認
⑨ 討論
⑩ 採決
ここからは、個人的に気になったやり取りを抜粋してみました。
※教育に関心のある保護者の、偏った思考からの傍聴なのでその辺りはご了承ください。
③で、紹介議員への質疑の中で大和山委員からの質問。
「この請願は10年以上出され続け、否決されているがなぜ否決され続けているのか?
否決されても出すのはなぜか?」という本質をあぶり出すような質問が。
(宇津野議員)
「実は私が議員になった頃から出されている請願であり20年以上出されている。
議論の中で、請願の意図に議員の皆さんは異論はないと感じているが、
否決される議員の皆さん「願意は分かりが苦渋の選択」ということでの反対なので
その内容をはかり知ることは出来ない。
ただ、20年同じように出されてはいるが内容はブラッシュアップして提案され、
声を上げ続けることで少しでも改善されたり、
以前は全く兆しが無かったものが少しずつ国も対策に動き出したものもある。
たとえ否決されても、声を上げて議論することが大事だとも言える。」
この宇津野議員の言葉を聞いて、声を上げることの意味や採択されても・されなくても、
課題を洗い出し言語化して都度、精査することの大切さを改めて感じた。
⑤の理事者説明では、それぞれの請願に対しての松戸市の対策が述べられていた。
確かに対策はしているけど…その効果についての検証はされているのかな?という疑念がわいた。
そして、一番「?」と思ったのは請願5号の「プール清掃」について。
「プール清掃は高学年の生徒と教員での取り組みで学びの多い活動であり、自分たちの使う設備を清掃するという学びの多い活動であり、清掃前のヤゴの採取は教育活動のひとつ」という説明。
これには、傍聴席はザワザワ。
ヤゴの採取…うーん、確かに楽しそう。
でも、 そのために清掃を先生や子ども達が清掃をする必要が本当にあるのか?とモヤモヤ。
⑦のフリートーキングでは、嶋村委員からの言葉が一番わかりやすく納得した。
塾の経営されている大和山委員から、
「この請願を全て実現したからといって教育現場が変わるとは思えない。教育現場の問題は別の所にあるのでは?」
という意見のあとで、
嶋村委員から「私は教員として35年携わった経験があります。大和山委員の言うように、この請願にすべて取り組んでもすぐに改善することは無いでしょう。ですが、実際に教員採用試験受験者が4万人減っていて、若い人が先生になりたいと思えない現状がある。改善しないと目指す人は居なくなる。5号のプール清掃も、確かに生徒たちとの清掃は楽しかったし、学びも多かった。
でも時代が変わり教員の業務が増え余裕がない現実がある。(ヤゴの採取も業者にお願いすれば学びの取り組み自体は出来る。)
今、変えていかないと教育の根幹を揺るがすことになりかねない。すぐ手当てが必要」 と。
今の松戸市の教員不足に危機感を持つ保護者の一人としてこんな風にはっきりと実際の現場を知っている方からの言葉は説得力があったし、私が実際にPTAなどで学校に関わり、現場の先生方の様子を感じていたものそのものだった。もう「今までは」は通用しないくらい現場はひっ迫している。
確かに財政的に予算確保が難しいことはわかる。でも、まずは教員不足県内1位という不名誉な結果を受けて、もう少し市議会議員の皆さんには危機感を持って議論に臨んで欲しい。
市議会が予算の使い道を判断する役割を担っているというなら、なおさらどこを優先的にするのか?を考えて欲しい。
松戸市は「子育て共働きしやすい街ナンバー1」をアピールしている。
教員不足ナンバーワン!なんて不名誉な現状をどれだけの人が知っているのか?(知らせたい!)
⑧の討論での発言者は以下の通り。
岩瀬委員(公明党)反対 1号~5号全てに反対
戸張委員(立憲民主党)賛成
増田委員(政策実現フォーラム・社民)賛成
嶋村委員(日本共産党)賛成
大和山委員(市民クラブ)反対
⑪ 採決
今回の請願は5件とも不採択となりました。
請願第1号→賛成3名(戸張委員・増田委員・嶋村委員)少数のため不採択
請願第2号→賛成3名(戸張委員・増田委員・嶋村委員)少数のため不採択
請願第3号→賛成3名(戸張委員・増田委員・嶋村委員)少数のため不採択
請願第4号→賛成3名(戸張委員・増田委員・嶋村委員)少数のため不採択
請願第5号→賛成3名(戸張委員・増田委員・嶋村委員)少数のため不採択
ここ数年、傍聴でこの結果を見て保護者として恥ずかしい。
今回の請願にも1044名の署名が添えられているにも関わらずこの結果。
子育て中の皆さんにも、この結果を見て欲しい。
次はようやく陳情の審議へ。
令和5年度陳情第1号「中学校給食に関する陳情」について
【陳情事項】
・中学校で使用されている強化磁器食器を割れない食器に変更すること。
・中学校ランチルームにエアコン設置をすること。
陳情の流れは以下の通り。
① 陳情者からの主旨説明(3分)
② 理事者の説明
③ 理事者への質疑応答
④ フリートーキング
⑤ 継続審査について
⑥ 討論
⑦ 採決
理事者の説明や各委員からの質問で松戸市内の小中学校の食器導入の経緯や現状などが分かった。
そもそもの松戸市のカフェテリア方式は、給食(ランチルーム)と弁当(教室)というスタイルで始まったものが、現状は給食の生徒がほとんどとなった。
各 学校ごとにランチルームを作ったりして対応している現状があるよう。
磁気食器についても、近隣他市でもほぼ食育の観点もあり強化磁器食器が導入されている。
(松戸市の中学校20校は強化磁器食器)
今回の松戸1中はコロナ禍もあったのでランチルームの席を減らしていたが、事故後に増設。
松戸1中の生徒数は867名。
ランチルームの席を150名→269名に増やしても、約600人の生徒が教室に移動している。
今回の事故以外にも1件あったがどちらも1年生。
数人の委員から、危ないからと言って磁気食器からプラスチックの食器に変えることは食育や教育の観点からは違うのでは?食器を変える以外の方法を考えることも必要、という意見も。
④⑤⑥は無く⑦の討論での発言者は以下の通り
岩瀬委員(公明党)反対
増田委員(政策実現フォーラム・社民)賛成
嶋村委員(日本共産党)賛成
大和山委員(市民クラブ)反対
⑧ 採決
今回の陳情は不採択となりました。
陳情第1号→賛成3名(戸張委員・増田委員・嶋村委員)少数のため不採択
以上が本日の審議の内容です。
今回の陳情・請願への賛否は教育環境常任委員会での賛否結果です。
9月22日(金)の議会最終日に委員会報告のあと個々の議員さんの賛否態度を見ることが 出来ます。
皆さんが1票を投じた議員さんが教育関係への請願や陳情へどう向きあうのか?
賛否が気になる方はリアルやオンラインでの傍聴をおすすめします。
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(富田)
まつど子育てコネクト matsuco
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